鍋で作るホットのロイヤルミルクティー|基本の割合と失敗しないコツ

鍋で作るホットのロイヤルミルクティー|基本の割合と失敗しないコツ

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目次

朝晩の空気がひんやりしてくると、しっかり甘くて温かいミルクティーが恋しくなります。カップにティーバッグを入れて牛乳を足すだけでも飲めますが、小鍋で牛乳ごと煮出す「ロイヤルミルクティー」にすると、コクの出方がまったく違います。

一方で、鍋で作ると失敗も生まれやすい飲み方です。渋くてエグい、思ったより薄い、牛乳に膜が張って吹きこぼれた——このあたりは、割合と火加減の2点でほぼ説明がつきます。

結論からお伝えすると、コツは3つです。茶葉と少量の水で先にしっかり抽出してから牛乳を加えること、牛乳を加えたら沸騰させないこと、そして水と牛乳の割合を「牛乳多め」で固定してしまうこと。この記事では、基本の分量と手順、つまずきやすいポイントの直し方をまとめます。

ロイヤルミルクティーとは

ロイヤルミルクティーは、日本で親しまれている呼び方で、牛乳の割合を高くし、茶葉を牛乳(と少量の水)で煮出して作る濃いミルクティーを指すのが一般的です。カップで紅茶をいれてから牛乳を注ぐ「ミルクティー」に対して、最初から牛乳を加熱に使うぶん、コクと香りの一体感が出ます。

「牛乳だけで煮出す」流儀もありますが、牛乳だけだと茶葉の成分が出にくく、煮る時間が長引いて牛乳くささが立ちやすくなります。少量の水で先に紅茶を出し、そこへ牛乳を合わせるほうが、家庭では失敗しにくく再現性も高くなります。この記事もその手順です。

基本の割合(マグカップ2杯分)

まずは下の割合を基準にしてください。マグカップなら2杯、小さめのティーカップなら3杯弱です。

材料分量目安
茶葉(アッサムCTCなど)7gティースプーン山盛り3杯
150ml茶葉がしっかり浸る量
牛乳250ml水の1.5〜2倍
砂糖など甘み好みで小さじ2〜4煮出しの途中で加える

ポイントは、水より牛乳を多くすることです。水と牛乳を同量にすると紅茶寄りの軽い味に、牛乳を水の2倍にするとミルク寄りのまろやかな味に振れます。迷ったら「水150ml・牛乳250ml」から始めて、次回に好みへ寄せていくのが早道です。

茶葉は、粒が小さく短時間で濃く出るCTC製法のものを、上記の分量で使います。リーフの茶葉(大きい茶葉)で作る場合は、同じ濃さを出すのに量と時間が必要になります。CTCやリーフといった茶葉の形状の違いは茶葉のグレードの読み方で詳しく扱っています。

手順(小鍋で作る)

  1. 小鍋に水150mlと茶葉7gを入れ、中火にかける
  2. 沸いてきたら弱火にし、1〜2分煮出す。液の色が濃い赤褐色になればよい
  3. 牛乳250mlを加え、弱めの中火にする
  4. 鍋のふちが細かくふつふつしてきたら火を止める(沸騰させない)。目安は牛乳を入れてから1〜2分
  5. 甘みを加える場合は、火を止めた直後にここで溶かす
  6. ふたをして1分ほどおくと、香りとコクがまとまる(省いてもよい)
  7. 茶こしで濾しながらカップへ注ぐ

火を止めるタイミングは「鍋のふちがふつふつしてきたら」で覚えてください。牛乳を入れてから1分ほどで、鍋のふちに1〜2mmの小さな泡がぐるりと並び、真ん中の表面がゆっくり動き始めます。ここが合図で、泡が中心までせり上がって膨らむ前に火から下ろして大丈夫です(理由は次の章で説明します)。

甘みは、冷めてから足すと溶け残りやすいので、熱いうちに加えて混ぜます。砂糖のほか、きび砂糖やはちみつでもかまいません。

うまくいかないときの、原因と直し方

渋い・エグみが強い

多いのは、牛乳を入れてからも煮続けているケースです。牛乳を加えたあとは抽出というより温めの工程なので、長く火にかけるほど渋みと雑味だけが増えていきます。ふちがふつふつしたら止める、を徹底してみてください。

水の段階で煮出しすぎているときも同じことが起きます。一度目の煮出しは1〜2分ほどを目安にしてください。ダスト(粉状)に近い細かい茶葉やティーバッグの中身は出が速いので、さらに短めでかまいません。

薄い・水っぽい

茶葉の量が足りないか、水の割合が多すぎるかのどちらかです。まず茶葉をティースプーン1杯ぶん増やす、それでも物足りなければ水を120mlに減らして牛乳を280mlに増やす(牛乳が水の2倍強)と、輪郭のはっきりした味になります。

低脂肪乳・無脂肪乳を使うと、同じ割合でもコクが軽く感じられます。濃厚に仕上げたいときは成分無調整の牛乳が基本です。ミルクの種類による違いはミルクティーに合う茶葉の選び方でまとめています。

膜が張る・吹きこぼれる・分離する

いずれも加熱しすぎが原因です。牛乳は沸点近くで急に膨れ上がって吹きこぼれ、表面には膜(湯葉のようなたんぱく質の膜)ができます。この膜は薄い黄みがかった皮のようなもので、濾すときに茶こしへ引っかかります。うまく火を止められた液は表面がなめらかで、濾したあとに茶こしに残るのは茶葉だけです。火を弱め、そばを離れず、表面が動いたら止める——これだけで防げます。

豆乳やオーツミルクなどの植物性ミルクは、加熱でさらに分離しやすくなります。植物性で作るときは、牛乳を加えたら火を止め、余熱で温めるくらいにとどめると安定します。

向いている茶葉と道具

濃く出るアッサムのCTCを選ぶ

ロイヤルミルクティーは、牛乳に負けないコクと渋みのある茶葉が向いています。基準になるのはインド北東部のアッサム産で、麦芽のような甘い香りとしっかりしたボディが牛乳とよく合います。ダージリンやニルギリのような香りの繊細な茶葉は、鍋で数分煮出すと青くささや渋みのほうが立ってしまい、この作り方にはあまり向きません。手持ちの茶葉がそれしかないときは、煮出さずにポットで濃いめにいれてから温めた牛乳を合わせる方法にすると持ち味が残ります。

製法は、茶葉を潰し・裂き・丸めた粒状のCTCを選びます。短時間で濃く出るため煮出し時間が短くて済み、その分エグみも出にくくなります。

下はインド・アッサムのハティマラ茶園でとれた夏摘み(セカンドフラッシュ)のCTCです。粒がそろっていて出方が安定しているので、割合と時間を決めて繰り返し作るこの飲み方と合わせやすい茶葉です。100g前後の袋なら、2杯分を週に数回作って1〜2か月ほど楽しめます。

目盛付きの小鍋があると割合が決めやすい

この飲み方は割合がすべてなので、内側に目盛のあるミルクパンがあると計量カップを出さずに作れます。14cm・容量0.8Lほどのものなら、2杯分(水と牛乳で合わせて400ml前後)を煮出しても吹きこぼれまでに余裕があり、注ぎ口がついていればカップへ移すときもこぼれにくくなります。ホーロー製はにおいや色がつきにくく、紅茶とミルクを繰り返し煮る用途に合います。取っ手も本体と同じホーローで加熱中は熱くなるので、鍋つかみを用意しておくと安心です。

甘みを控えたいなら、香りのついた茶葉という手も

砂糖を減らすと物足りなく感じる場合は、あらかじめ甘い香りをまとわせた茶葉を使うと、少ない糖分でも満足感が出ます。下はアッサムCTCをベースにキャラメルの香りをつけたもので、基本の手順そのままで香りの立ったミルクティーになります。牛乳との相性がよく、ホットはもちろん、余ったら冷やしても楽しめます。

生姜やカルダモンなどのスパイスを足して本格的なチャイに寄せていくやり方は、アイスチャイの作り方とスパイスの選び方で温冷両方の考え方を紹介しています。

味を微調整する2つの選択

水は軟水を使う

日本の水道水はおおむね軟水で、紅茶の抽出には向いています。硬度の高いミネラルウォーターで煮出すと、水色が濁ったり香りの出方が鈍くなったりすることがあります。水による違いは紅茶と水の関係で解説しています。

さらに濃くしたいなら一部を生クリームに

牛乳250mlのうち30〜50mlを生クリームに置き換えると、口当たりがぐっと濃厚になります。ただし重くなるぶん、砂糖は控えめに調整してください。

よくある質問

Q. 電子レンジでも作れますか? 作れます。耐熱マグに茶葉7gと水150mlを入れて600Wで1分半ほど加熱し、牛乳250mlを加えてさらに1分半ほど温め、濾します。牛乳は吹きこぼれやすいので、容器は大きめにし、加熱を短く区切って様子を見てください。

Q. ティーバッグでも作れますか? 作れます。CTCのティーバッグなら、マグ2杯分で2〜3袋が目安です。小鍋に水とティーバッグを入れて同じ手順で煮出し、牛乳を加えます。バッグは長く入れっぱなしにせず、牛乳を加える前に一度引き上げると渋くなりません。

Q. 1杯だけ作りたいときの割合は? 水80ml・牛乳120ml・茶葉4g(ティースプーン山盛り2杯弱)が目安です。少量だと煮詰まりやすいので、火加減はより弱めにしてください。

Q. まとめて作って保存できますか? 牛乳を使っているため日持ちしません。その日のうちに飲み切ってください。作り置きしたい場合は、紅茶だけを濃く煮出して冷蔵しておき、飲むときに温めた牛乳と合わせる方法が安全です。

Q. 冷たくして飲みたいときは? 氷で薄まる分を見込んで濃いめに作る必要があるため、分量と手順が変わります。アイスロイヤルミルクティーのいれ方で急冷のコツを含めて説明しています。

まとめ:割合を固定して、沸かさない

鍋のロイヤルミルクティーでつまずく原因は、ほとんどが「割合が定まっていないこと」と「煮すぎ」の2つです。水150ml・牛乳250ml・CTC茶葉7gをいったんの基準にして、牛乳を加えたらふちがふつふつした時点で火を止める。この2点を守れば、まず大きく外しません。

あとは次に作るときに、もう少し濃く、もう少し甘さ控えめに、と自分の一杯へ寄せていくだけです。寒い季節の朝や、一日の終わりに、鍋ひとつで満たされる時間になります。